こちらのページでもご説明しておりますが、「クロマティック」とは英語で半音階の意味があり、無理矢理日本語にすると、「半音階付きハーモニカ」といったところでしょうか。
このクロマティック・ハーモニカにも主に2つの種類が存在します。
上下2段に分かれている「上下式クロマティック・ハーモニカ」と横にボタンのようなものがついている「スライド式クロマティック・ハーモニカ」です。
上下式は下の段が普通のドレミファソラシドで、ピアノの鍵盤でいうと白い鍵盤の部分です。
そして、上の段にシャープやフラットの音が入っています。ピアノの鍵盤で言うと黒い鍵盤の部分です。
この上下式のハーモニカのもう一つの特徴としては、一つの穴に対して一つの音が出るということです。(当たり前のようですが、これからお話するスライド式の説明を読んでいただけますとより理解が深まります。)
次にスライド式ですが、横のボタンのようなもの(スライドレバー)があり、それを押すと半音上がる仕組みになっています。
写真をご覧いただくと、スライドレバーを押すことで、穴の部分が上の段から下の段に切り替わっているのがわかると思います。
ということは…つまり…
中の方では、同じように上下二段に分かれており、それをスライドレバーで切り替えているということです。
右横のスライドレバー操作により、より容易に半音を出すことが出来るようになります。
また、上下式と違うところは、一つの穴の中に、吹き吸いの音が組み込まれているというところです。
例えば、一番左端の1番の穴を吹くと「ド」、吸うと「レ」、そしてスライドレバーを押して吹くと「#ド」、押して吸うと「#レ」というように、一つの穴で4つの音が出せる仕組みになっています。
スライド式クロマティック・ハーモニカは、吹き口が一段になっているため、3度や6度、オクターブ、分散和音なども演奏しやすくなります。
クロマティック・ハーモニカ奏者のほとんどの方が、スライド式を使っており、上下式の演奏者はあまりお見掛けしたことがありません。演奏方法や様々なテクニックを考えると、スライド式の方がより幅が広がる、というのが大きな理由なのかもしれません。
なお、レッスンもスライド式のクロマティック・ハーモニカを対象としております。
(ユニカ、ユニカフォーマルなど、スライドレバーはついているが、配列が異なるタイプも除く。)