アウトリーチ

アウトリーチについて

アウトリーチとは?

コンサートホールから飛び出し、学校は勿論、図書館や博物館、病院などの公共施設で行うコンサートやワークショップのことです。

 

コンサートと何が違うのか?

一番違うところは、演奏者と聴衆との距離の近さです。

通常のコンサートではできないようなワークショップやお話・説明を盛り込むことができるため、より音楽や楽器に対しての理解が深まります。

私自身の体験・感覚になりますが、子どもの頃は「演奏者」や「音楽家」というと、テレビなどを通して、あるいは教科書や授業での映像を通してでないと触れ合えない、というような感覚・印象がありました。

演奏者の息遣いが聞こえ、対話ができるほど距離が近くなることで、より密なコミュニケーションをとることができ、身近に感じていただくことができます。

また、距離が近くなることにより、マイクやスピーカーを通さない楽器本来が持っている自然な音色を味わうことができるため、迫力の度合いや音色に対する印象も大きく変わります。

 

どんなことをするのか?

3.5cmの世界最小のミニ・ハーモニカの演奏。(トイ・ピアノとのデュオも)

クロマティック・ハーモニカ比嘉祥人アウトリーチ1
ミニ・ハーモニカを説明している様子

クロマティック・ハーモニカ比嘉祥人アウトリーチ2
トイ・ピアノとの合奏。
(ミニ・ハーモニカは口に咥えたままで)

 

分解、構造の説明。鍵盤ハーモニカとの共通点や違い。

クロマティック・ハーモニカ比嘉祥人アウトリーチ3

実際にハーモニカを分解し、どのような構造になっているのかを見てもらい、分解した状態で音を出すことで、音の出る仕組みも解説します。
また、鍵盤ハーモニカも分解し、ハーモニカとの共通点や相違点を探してもらいます。
(鍵盤”ハーモニカ”と名前がついているだけあり、ハーモニカとの共通点が多くあります。)

 

ハーモニカのテクニックの説明。(ハーモニカでどんなことが出来るのか?)

クロマティック・ハーモニカ比嘉祥人アウトリーチ4

ハーモニカの配列図や写真などを使い、どのように吹いているのか、口の大きさや舌の動きなどにも注目してもらいます。
テクニックでは、ピアノの右手・左手に例え、ハーモニカでも、まるでピアノの両手で演奏しているような演奏を聴いてもらいます。

 

♪曲の鑑賞
・キーワードやヒントを基に、自由にイメージを膨らませてもらう。
・身近な題材を使い、曲をストーリー仕立てにして説明、展開する。
・曲の中の特徴のある部分を取り出し、それが何を表しているのかを考え、それを基に発想を展開する。
・曲を聴いて、どのような色を感じるか。○△□など、どのような形を感じるか、暖かいか冷たいか、柔らかいか硬いか、などを考えてもらう。

 

♪合奏や合唱で共演。

クロマティック・ハーモニカ比嘉祥人アウトリーチ5

授業などで普段から親しんでいる曲を合奏・合唱することにより、アンサンブルを通して、協力することで生まれる「変化」や「楽しさ」「喜び」を実感してもらいます。

 

アウトリーチで伝えたいこと、アウトリーチがなぜ必要なのか

アウトリーチは児童・生徒にとっては受動的な体験であります。

しかしながら、各メディアや地域社会・家庭内での環境、世間一般の価値観において、あらゆる情報等が予め取捨選択されているということが少なからず存在しているように感じます。

その中で、私共の携わる「音楽」というコンテンツを提供することにより、まずは新たな価値観、世界観、視点を増やすきっかけにしたいと考えております。

昨今、パソコンやスマホ等の普及により、様々な情報だけでなく、音楽においても非常に手軽に接することが出来るようになりました。

それらの音は画面やスピーカーを通しての音や電子音、コンピュータでの演奏もとても多く含まれています。

そこで、マイクも使わない、演奏者の息遣いまで聴こえる距離感での「生の演奏」を聴いてもらうことにより、生演奏の良さや弱点、普段聴いているCDやパソコンからの音楽との違い等を直接肌で感じ取ってもらえる機会の必要性を感じています。

また、演奏を聴くだけではなく、楽器の特徴や構造の説明、演奏者の経歴や背景なども盛り込むことにより、子供たちが持っている将来の夢や、これからの各々の人生において岐路に立たされた時の判断材料の一つとなる機会も提供できるのではないかと考えております。

 

また、このアウトリーチにおいて、先生方は勿論のこと、保護者の方々にも出来るだけご参加いただければと思っております。

目の前で行う演奏により、保護者の方々にも通常のコンサートとは違う体験をしていただき、生徒・保護者の方々が、共通の体験をすることにより、家庭内での音楽に関する会話やコミュニケーション、普段の生活を通しての音楽との接し方にも再注目していただける機会と捉えております。

児童・生徒や保護者の方に、生の演奏への興味・関心、楽器や演奏者への親しみ感じていただくことで、ホールでのコンサートへも足を運んでいただくきっかけや地域での音楽の活性化にも繋げていければと考えております。

 

子どもたちの感想

※表現や言い回し等、一部修正しています。

「楽器をやってみたくなり、お母さんに音楽教室に通いたい!とお願いした。」
「アウトリーチを聴いて音楽家になりたい!と思った。」

新たな興味・関心、新たな目標、そして将来の夢へと繋がる

 

「楽器を始めたいけど、年齢的に遅すぎるのではないか…と思っていたが、実際に話を聞いてみて、自分にもできるかもしれないと思った。」

自分自身の可能性に気付くきっかけに繋がる

 

「アウトリーチ後、自宅でハーモニカの話をすると、昔は学校でハーモニカの授業があったという話になり、とても驚いた。」

家族間でのコミュニケーションに繋がる

 

「楽器の仕組みや構造を見ることができ、より興味が湧いた。」

メカニックに興味が湧くことで、楽器のみならず、身の回りの工業製品に対する興味へと繋がる

 

「他の楽器とアンサンブルすることで、迫力も増し、色々な変化があっておもしろい。」
「2つの楽器が重なった音を聴くと、1つの楽器だけでは見えなかった何かがいっぱいに響いた。」

他の楽器との共演を通して、協力・協調することの大切さや、一人では成しえないことでも協力することで出来ることが広がる、という気づきに繋がる

 

「身近で聴くことで、一つ一つの音が大きな力になり、聴いている方もとてもウキウキしてくる。演奏者のパワーを感じることもできた。とても迫力があった!」
「演奏を聴いていて、ドキドキして嬉しくなった。これからも音楽を聴いて、音楽から元気をもらいたい。」

音楽が持っている力を感じ取ることで、目に見えない物の大切さや重要性に気付くきっかけへと繋がる

 

「初めて聴いた曲でも、イメージやストーリーを通して鑑賞することで、色々と想像を膨らませることが出来、とても印象に残った!」
「曲を通して、想像すればするほど、音楽が喜んでいる!楽しそう!喧嘩している!というイメージが広がった。」
「音を聴くだけで『今はこんな感じかな』と予想できるほど、その時その時の場面の様子が題名に沿って見えてきた。」

音楽の新たな楽しみ方を見つけることで、物事の新しい視点を見つける喜びや大切さに気付くきっかけに繋がる

イメージすることの大切さや面白さ、イメージする力を鍛えることに繋がる

 

アウトリーチにおいて、イメージすることの大切さや重要性も伝えていきたいと考えています。

特に、昨今のアニメーションやゲーム機器などにおいては、非常に綺麗で鮮明な映像が作られるようになりました。これらの技術の進歩もとても素晴らしく、実写の映像と違わないくらいの臨場感を味わうことが出来るようになりました。

その反面、昔に比べ、自分自身でイメージをする、という機会が減っているようにも感じています。(小説を読んで場面をイメージするということもそうですが、かつての白黒テレビの時は、色もイメージしながら見ていたのではないでしょうか。)

イメージする力をつけることで、新たな価値観や新たな視点に気付くきっかけにも繋がることは勿論、他者を思いやる心や、自分とは違うものへの理解や、それを受け入れる心へと繋げていきたいと考えています。

 

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