「5つの小品」を物語仕立てで解説 その2

物語仕立ての解説その2 おしらせ

Chromatic Harmonica LABOのYouTubeチャンネル、ゴードン・ジェイコブ(Gordon Jacob)作曲の「5つの小品(Five Pieces)」残りの 4.悲歌 5.田舎の踊り をアップしました。

引き続き、物語仕立てでの説明です。
1.カプリス、2.子守歌、3.ロシアの踊りについては前回のブログをご覧ください。

 

4.悲歌
命からがら逃げ回り、どうにか生き延びることができた一人の子ども。
巣があった場所に戻ってきてみると、巣はおろか辺り一面が破壊され、焼け野原のようになっている。
母親も兄弟たちの姿はどこにもなく、ただ一人、焼け野原の中むせび泣く。

 

5.田舎の踊り
生き残った一人が大人へと立派に成長し、再び自分の故郷へと戻ってくる。
それは自分たちを襲った敵に復讐するためだった。
勇み足で敵のアジトへと向かっている様子。
(ザッ、ザッという和音が勇み足で進む音に聞こえませんか?)

そして、戦いが始まったところで物語(曲)は終わりとなります。

 

このような曲を物語で考える手法がとても気に入っています。
全ての曲が物語になるわけではありませんが、時には色だったり、匂いだったりと様々なメッセージが込められています。

 

高校生の頃、とても印象的な言葉と出会いました。
それは音楽の教科書の表紙に書かれていた言葉なのですが、

 

”音楽は人間が言葉で言えないことで、しかも黙ってはいられない事柄を表現する。”
”Music expresses that which cannot be said and on which it is impossible to be silent.”

 

レ・ミゼラブルの作者で有名なヴィクトル・ユーゴーの言葉です。

 

誰かに何かを伝えるには、言葉で直接伝えた方が早くて、正確に伝わりそうな気がします。
ですが、時には、あるいは内容によっては頭(思考)を通さずに、直接心に語りかけた方がより深く相手に届くこともあるのだと思っています。

音楽に限らず、文学、美術などにもそういった側面があるのではないでしょうか。

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